きっと「ポータブル」というのは「モバイル」とは違って「持って歩けなくはない(でも推奨はしない)」くらいの意味なんだろうなぁとは思う。

それはともかく、半年ほど前の東北地方の地震で火力発電設備に故障が相次ぎ、今夏移行東電管内では予備率が大幅低下、なんなら冬はマイナスという予測が出ているのに、キシダさんはうまく節電した人にポイント還元とかいう明後日の政策以外に特に何もするつもりがないらしい、ということで予期せぬあるいは計画的な停電に備えてポータブル電源を導入することとした。その後、この冬は原発を最大9基動かす!とさもすごいことであるかのように記者会見で発表していたが、今でも5基動いているし定期点検に入っているのが復帰すれば放っておいても全部で9基動くのに何を言っているのだという感じだ。やはり彼はあまり大胆な方向転換とかは不得意そうな人だ。

そもそも要件として、何のためのポータブル電源か?というのがある。いざ停電になって生かしたい電化製品はなんだろうか。停電期間にもよるのだろうが、多分その時に大電力を食うドラム式洗濯機や全自動コーヒーメーカーは使わないだろう。電力にもよるが電子レンジはあったほうがいいかもしれない。となるとやはり冷蔵庫は必須。電気ケトルは使わずにガスとやかんで。

全く停電の規模にもよるのだろうが、ネットワーク環境は活かしておきたい。でも今常時動いているもののいくつかは落として、外部接続が最低限できる機器に限るだろう。あとスマホやタブレットの充電も。天井照明は全滅だが(アウトレットに繋がっていないので)、うちにいくつかあるスタンドはたいていバッテリ付き。

そんなわけで、できれば冷蔵庫、NOC機器(Switch, ONUなど)、サーバ兼ルータとそこにつながるスイッチ、Wifi AP一つくらいが落とし所か。あとは出力に余裕があれば適宜差し替えて使うことになる。

ただポータブル電源はやはり高い。特にキャンプするわけでもないのに非常用に買うには高い。今回アマゾンで1000W出力、容量1000Whの電源が諸々割引で期間限定で73000円ほどだったので、よくわからん中華メーカー、出力も容量もあと一声、リン酸リチウムイオンではないといった問題はあるもののとりあえず買ってみた。

買ったのはこちら。メーカー名もよくわからない。INNCAPというのがそうかな

一応そこそこは使える。購入直後は69%ほど充電されていたが、この状態でUPSの電源をこちらに切り替えたらちゃんと使えた。このUPSには500VA(300W)でざっと5台くらい総容量多分80-90Wくらいを繋いでいるのだが、この電源を繋ぐと消費量が160Wと出た。これはUPSの皮相電力なのだろうか。それにしてはちょっと多い気もするが。なお、非常時はこのうちNASとおそらくESXi機、全録機を落とす気がする。

ゴツいACアダプタを繋いでの電源への充電も確認できた。が、えらく時間がかかるので80%くらいで止めてしまっておくことに。

数日経って、やはり満充電まで試しておこうとまた充電を始めたのだが、87%まできたら充電が止まってしまった。ケーブル抜いたり挿したりしてもダメ。八方手を尽くしたつもりだが、ふと見るとそういえば説明書がない。捨てるわけはないから初めからついてなかったような気もするのだが確証はない。とりあえず販売元にamazonのサポートを通じて連絡してみた。説明書はpdfで送ってくれた。また、よくわからない不具合もビデオを撮って送ってくれと拙い日本語で書いてあった。

ビデオを撮ったはいいが、アマゾンサポートからでは送る方法がない。添付は10MBまでのpdfとか画像が送れるだけで、movとかmp4を拡張子を変えるだけではもちろんダメ。あと住所とかURLとかメールアドレスも本文に書けない。全部消される。結局先方からgmail addressを画像にしたものを添付してくれて、以降はメールでやりとりをすることになった。

ビデオを見たのか見ないのか、すぐに交換、ということになった。この辺りは中華系はフットワークが軽い。しかも向こうから代替品をさっさと送ってくれる。ただ送付後は古いのはそっちで始末してくれと取れる内容のメールが来たりしたが、ここはなんとかそっちに着払いで送付させてくれととネゴ。

代替機が来てから、いろいろざっと計測。

大体69%くらいから100%になるまでにざっと5-6時間かかった。ちょっとこれはかかりすぎかもしれない。

返してしまう旧機の方でどれくらい持つのかを確かめる。

UPSには現在、

  • momose.org サーバー兼ルータ
  • momose.org代替機 (普段はoff)
  • ESXi機
  • NAS
  • 全録機
  • 複合機(プリンタ/スキャナ/電話/FAX)

が繋がっている。UPSに繋いでみると、ざっくり80-90Wくらい消費。

このUPS毎この旧機に繋ぐ。UPSなのでオペレーション断はもちろんないので気楽。

東電管内の電力不足が騒がれつつある頃なので、昼の時間帯に切り替え。87%から3%まで減るのに11:10-17:52。6時間42分持ったことになる。ただし、各機器へのUPSへの供給は100Wに満たないはずだが、このポータブル電源からの出力は常時160-170Wほどだった。

これは大いに謎だが、おそらくこのUPS、CPJ500が500VA/300Wということなので、ざっくり力率60%ということなのだろうか、ポータブル電源側にはこの皮相電力分が必要になるのかもしれない。電気代計算時には有効電力で計算すると聞いたことがあるが、そうだとするとここら辺のUPS/電源を使うと無効電力分電気代損しているのかも。

他には、USB充電する際、これにはUSB-Cが二つついているのだが、PD対応ではない方側はちょっと刺さりが甘くて(押し込むと内部の端子毎奥に押し込まれる感じ?)、うまく充電されないことがある。ケーブルとの相性もあるのかもしれない。

こういう細かいところの作りの甘さや、またいつ充電ができなくなるかという不安を考えるとやはりこういうノーブランド中華製には一定の不安はある。

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